吃音の初期サイン(Part2)早期発見が安心に繋がる理由|言語聴覚士【第2回】
早く気づけたからといって “ 必ず治る ” わけではありませんが…
吃音は、発症後3年ほどで男の子の約6割、女の子の約8割が自然に落ち着くといわれています。
一方で、大人になっても吃音が続く方が一定数いることも事実です。
ですので、「早く気づけば完全に治る」というわけではありません。
でも、早く気づけたからこそ “ 困る前に安心を育てられる ” という大きなメリットがあります。
吃音は「治すかどうか」だけではなく、
・お子さんが安心して話せる環境をどう整えるか
・話すときの不安をどうやわらげるか
といった視点が、とても大切になってきます。
こんなサインが見られたら
─── ことばの負荷が少しかかっているかも
吃音には、音をくり返す(連発)、音を引きのばす(伸発)、ことばが出にくい(難発)といった特徴があり、次のようなサインとしてあらわれることがあります。
言語面のサイン
● 「お、お、お、おかあさん」のように、最初の音でつまる
● 名前を呼ばれたときに、返事が出にくい
● 「あーのね」のようにことばが伸びる
● 言いたいのに最初の音が出ない(難発)
行動面のサイン
● 話すことそのものを避けようとする
● 音読や発表を嫌がる
● 話す前に表情がこわばる
● 身体に少し力が入りやすい
心理面のサイン
● 「うまく言えない」と気にし始める
● 話すことへの自信が揺らいでいるように見える
● お友達との会話を控え始める
「能力が足りない」のではなく、「ちょっと頑張りすぎている」だけ
こうしたサインが見られると、保護者の方は「うちの子、大丈夫かな…」と心配になるかもしれません。
でも、これは決して「できていない」から起きているわけではありません。
むしろ、
今の環境や状況が、お子さんにとって少しだけ頑張りすぎてしまう状態
になっていると考えられています。
適切な環境だとスムーズに話せることが多く、吃音は「能力の問題」ではなく「環境や気持ちの影響を受けやすい」ことが知られています。
支援は “ 話し方の練習 ” よりも、“ 安心できる環境づくり ” から
吃音の支援と聞くと、「発音練習」や「矯正するのかな」というイメージが浮かぶかもしれません。
けれども、幼児期にいちばん大切なのは、お子さんが安心して話せる環境を整えることです。
今日からできる、やさしい環境調整
1.大人がゆっくり話す
お子さんは、大人の話し方をそのまままねしたくなります。
少しゆったりと話すだけで、安心感がぐっと高まります。
2.せかさず、待つ時間を大切に
「ゆっくりでいいよ」と言うより、そっと待ってあげるほうが安心できます。
3.「早く言って」「ちゃんと話して」は控える
つい言ってしまいやすいことばですが、お子さんには少しプレッシャーに。
4.つまっても、最後まで聞いてあげる
先取りせず、「そうなんだね」と受け止めてあげるだけで安心感が増します。
5.“ 伝わったこと ” を喜ぶ
正しいかどうかよりも、「伝えたい気持ちが伝わったね」を大切に。
環境が整うだけで、ことばが落ち着くことも
こうした関わりを続けることで、お子さんの話が少しずつ落ち着いてくることは珍しくありません。
これは、“ 治った ” というよりも、お子さんが本来の力を安心して発揮しやすくなった ということです。
話しやすい環境をつくることが、その第一歩になります。
だからこそ、早めに気づけたことには、とても大きな意味がある
「もっと早く気づいてあげれば…」と思う必要はありません。
でも、今気づけたことそのものが、すでに大切な一歩です。
気づいたその時点から、お子さんの“困る前の安心”をつくっていくことができます。
それは、お子さんの「話したい」という気持ちを大切に育てることにもつながります。
🌈【早期の気づきを、お子様の確かな「安心」に変えるために】
ことばの教室コロレが大切にしている “ 早期支援 ” の具体的な考え方と取り組みは、公式ホームページで詳しくお伝えしています。

