勉強のやる気が出ない子の本当の理由とは?(第7回 Part1)|学びに向かう力を育てる【豊中市の学習支援】

この記事でわかること

・学習意欲を支える、心理学に基づいた考え方と実践のヒント
・「やる気がないように見える」子どもの、心の中で起きていること
・今日から無理なくできる、環境調整のポイント
・専門的な支援につなぐ目安の考え方

「宿題の前で涙が出てしまう」
「机に向かっただけで、ため息が出てしまう」
「やる気がないように見えて、どう関わればいいのかわからない」

こうした悩みを抱えている保護者の方は、決して少なくありません。
言語聴覚士として多くの子どもたちと関わってきて感じるのは、そうした子どもたちの多くが、

「がんばりたい気持ちはあるのに、うまくいかない」
という、苦しさを抱えているということです。

「やる気がない」のではなく、「学びづらさ」が隠れていることも

これまでのシリーズでもお伝えしてきたように、学習のつまずきには、必ず理由があります。
そして、その状態が続くと、子どもは学習性無力感と呼ばれる状態になることがあります。

学習性無力感とは?

心理学者セリグマンが提唱した考え方で、「何をしてもうまくいかない」という経験が重なることで、本当はできる力があっても「どうせ自分には無理だ」と感じてしまう心の状態を指します。
これは「怠け」や「甘え」ではなく、これ以上つらい思いをしないために、心が自分を守っている反応でもあります。

よくある見え方と、その背景

📚集中力がないように見えるとき

実は、姿勢が安定せず、体を支えるだけで精一杯なのかもしれません。
体幹やバランスの力が十分に育っていないと、「集中する」以前に「座る」こと自体が大仕事になることがあります。

📚やる気がないように見えるとき

過去の失敗体験から、「またできなかったらどうしよう」という不安を感じている可能性があります。
これは、挑戦を避けることで心を守ろうとする自然な反応です。

📚能力が足りないように見えるとき

その子に合った学び方に、まだ出会えていないだけかもしれません。
学びの入り口は、視覚・聴覚・体の感覚など、人それぞれ違います。

学習を支える「3つの土台」

心理学の「自己決定理論(SDT)」では、人が意欲的に行動するためには、3つの基本的な欲求が満たされることが大切だとされています。
学習場面では、これを次の「3つの土台」として考えることができます。

① 身体の安定(からだの土台)=「できそう」という感覚の土台

なぜ、体の安定が大切なのでしょうか?

私たちの脳は、姿勢や触覚、視覚など、体から入ってくる感覚情報を統合しながら働いています。
この働きを感覚統合といいます。

体が不安定な状態だと、脳のエネルギーが「体を支えること」に多く使われ、考えたり、覚えたりする余裕が少なくなってしまいます。

チェックしてみましょう

・足は床についていますか?
・椅子と机の高さは合っていますか?
・手元は十分に明るいですか?
・疲れすぎていない時間帯ですか?
・睡眠は足りていますか?

実践のヒント

足が床につかない場合は、雑誌を重ねた足台でも十分です。
「こんなことで変わるの?」と思われるかもしれませんが、足元が安定するだけで、驚くほど集中しやすくなる子も多いのです。

② 取り組みやすい課題設定(学習の土台)=「できた!」を感じる経験

心理学者ヴィゴツキーの「発達の最近接領域(ZPD)」という考え方では、「一人では難しいけれど、少しの支えがあればできる」課題が、成長につながるとされています。

チェックポイント

・できることから始めていますか?
・目標は具体的ですか?
・「できた」と感じられる瞬間がありますか?

課題の分け方の例

漢字10個の場合

❌「全部書けるようにする」
⭕「読む → 3個だけ書く → 残りに進む」

小さな達成を重ねることが、次への意欲につながります。

③ 安心できる関係性(心の土台)=「自分でやってみよう」と思える力

「間違えても大丈夫」
「わからないと言っていい」

そんな心理的に安全な環境があってこそ、子どもは学びに向かえます。

関わりのチェック

・間違いを責めていませんか?
・結果だけでなく、取り組みを認めていますか?
・子どもの「困っているサイン」に気づいていますか?
・子どもが選べる余地はありますか?

言語聴覚士として大切にしていること

ことばの教室コロレでは、「話を聴く」ことをとても大切にしています。
言葉だけでなく、表情や声の調子、体の動きも大切なメッセージです。

「どうしてやらないの?」の前に、「今日はどんな一日だった?」と聞いてみる。
それだけで、関係性がやわらぐこともあります。


【豊中市でお子様の「やる気の正体」を一緒に見極めたい方へ】

「怠けている」ように見える姿の裏側に、実は「やりたくてもできない」理由が隠れていることがあります。
ことばの教室コロレでは、言語聴覚士がお子さまの特性を細かく分析し、無理なく意欲が湧いてくる環境作りをアドバイスします。
お子さまに合った「やる気のスイッチ」を一緒に探してみませんか?

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