ことばがつまるとき(Part2)学校での合理的配慮の具体例|支援の形【第5回】
合理的配慮とは何か?
合理的配慮とは、障がいのあるお子さんが、ほかのお子さんと同じように安心して学べるように、学校がその子に合わせて必要な工夫や調整を行うことをいいます。
大切なのは、学校が一方的に決めるのではなく、お子さんや保護者の方と話し合い、お子さんの発達段階もふまえて、できるだけ一緒に納得しながら決めていくという点です。
最も大切な原則:お子さんとの対話
音読や発表の場面で、「みんなと同じように指名してよいか?」を、まずお子さん本人に確認することが大切です。
もし「いやだ」と感じている場合は、なぜ嫌なのか・どうしたらやりやすくなるかを一緒に相談しながら決めていきます。
実際、先生が良かれと思って発表を外したことで悲しい思いをした子もいれば、外してもらえて気が楽になった子もいます。
感じ方は一人ひとり違うため、本人の気持ちを尊重して配慮を決めることが重要です。
場面別:具体的な合理的配慮の例
音読の場面
・クラス全体での斉読にする
・二人組で読む
・先生と一緒に読む
みんなで読む形にすると、吃音が出にくいお子さんが多いと言われています。
特別扱いに見えない工夫として、クラス全体で取り組める形をお願いするとよいでしょう。
📚音読カードへの配慮
「すらすら読めたか」などの評価で苦手意識を持つお子さんもいます。
お子さん自身が目標を選べる音読カードにすると、自分のペースで取り組みやすくなります。
九九暗唱の場面
・流暢さより「理解しているか」を重視
・時間制限をなくす
・筆記での確認もOK
・みんなと声を合わせる形にする
発表・スピーチの場面
・事前に内容を伝える
・発表の形式(口頭・文章・動画など)を本人が選べる
・指名されたくないときの「合図」を決めておく
・言いやすいことばから始められる工夫
・セリフ・歌・ダンスなど、本人の得意を選んでもらう
吃音が出たときに笑われたり指摘されると、「吃音を出してはいけない」という不安が強まり、悪化につながることがあります。
安心できる発表環境づくりが大切です。
出席確認・呼名応答の場面
・挙手での確認
・名前を呼ばれたら立つ、など声を出さない方法もOK
・調子に合わせて方法を選べるようにする
「声を出す」という日常の行為自体が、吃音のあるお子さんにとっては負担になることがあります。
英検・スピーキングテストの場面
・事前に配慮申請を行う(英検では配慮制度があります)
・ゆっくり話せる時間の確保
・評価は「話し方」ではなく「内容」が中心であることを確認
日常的な関わり方の配慮
●ゆっくり待つこと
声が出にくいときは、急かさず、お子さんの口からことばが出るのを待つことが大切です。
「ゆっくり」「もう一回」などの声かけは逆効果になることがあります。
●内容をほめる
「うまく話せた」「つまらなかった」など “ 話し方 ” を評価するのではなく、話した内容に注目してほめることで自信につながります。
からかい・いじめへの対応
吃音は、背の高さや体の特性と同じように、「本人の努力ではどうにもならないもの」です。
折に触れてクラスに説明し、周囲の理解を深めることで、話しやすい環境をつくることができます。
※説明をする際は、必ずお子さん本人の了解を取り、本人のいる場で行うことが基本です。
合理的配慮は「わがまま」ではありません
合理的配慮は、法律で定められた正当な権利です。
2024年4月からは、塾や習い事でも提供が義務化されています。
「困りごとに合わせて環境を整える」という点では、メガネをかけるのと同じ、とても自然なことです。
保護者の方へ
お子さんに必要な配慮を学校へ伝えることは、決して迷惑をかけることではありません。
むしろ当然のことです。
そのうえで大切なのは次の3つです。
1.お子さんの気持ちを最優先にすること
2.学校と丁寧に対話を続けること
3.配慮の内容は状況に合わせて柔軟に見直すこと
【学校生活での「困った」を、適切な合理的配慮で支える】
先生への伝え方や学校とのスムーズな連携については、公式ホームページからお気軽にご相談ください。

