“ 読める子 ”は何が育っている?(第4回 Part1)|語彙・音・文章理解を深める支援【豊中市・言語聴覚士】

この記事でわかること

・読み書きの土台となる3つの言語力
・ことばの力が不足しているときのサイン
・年齢別の言語発達の目安

「文字は読めているのに、文章になると意味がわからない」
「文章題になると、問題の意図をつかめない」
「読み書きの練習を頑張っているのに、成果が出ない…」

こうした悩みをお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。
もしかすると、その原因は「読み書きそのもの」ではなく、“ その前の段階 ” にある「ことばの力」かもしれません。

「ことばの力」とは?

読み書きの土台になる「ことばの力」には、主に3つの要素があります。

1.語彙力

知っていることばの数が多いほど、文章の理解が深まります。

<つまずきの例>

「〇〇ってなに?」「〇〇って?」と頻繁に聞く

<語彙発達の目安>

「聞いてわかることば(理解語彙)と「自分で使えることば(表出語彙)」には差があり、理解できることばのほうが、使えることばより多いのが自然です。

<聞いてわかることばの目安>

・3歳:約900~1,000語
・6歳:約2,500~5,000語
・小学3年生:約5,000~10,000語

<自分で使えることばの目安>

・聞いてわかることばの半分~3分の2程度

<具体的にはこんな様子>

・3歳
「りんご」「くるま」など身近な物の名前や「たべる」「ねる」などの日常動作を理解している。
2語文~3語文で話す。(「ママ ジュース ちょうだい」など)

・6歳
学校生活で使う基本的なことば(「じゅんび」「れんしゅう」など)を理解し、自分の体験を説明できる。

・小学3年生
「勇気」「努力」など、少しずつ抽象的なことばも理解し始め、理由を説明したり、物語の内容を要約したりできる。

大切なポイント

これらの数値は研究によって幅があり、あくまで「平均的な目安」です。
発達のペースには大きな個人差があります。
お子さんが理解していることばの数より、「日常生活で困っていないか」「年齢相応のコミュニケーションができているか」のほうがずっと大切です。

2.音韻意識

「ことばを音で分ける」「聞いたことばを正しく書く」などに必要な力。
読み書きの基礎となる力です。

<具体例>

・「ねこ」を「ね・こ」と音で分けられる
・「さかな」は何音?と聞かれて「3音」と答えられる
・しりとりで最後の音に注目できる

<つまずきの例>

・「さかな」を「さなか」と書く
・「えんぴつ」を「えんひつ」と書く
・「がっこう」を「がこう」と書く
・「ちいさい」を「ちさい」と書く

3.文や文脈を理解する力

単語だけでなく、話の流れや登場人物の気持ちを想像しながら読む力。
これがないと、文字は読めても「意味がわからない」状態になります。

<つまずきの例>

・文章を読んでも、「何の話かわからない」
・「主人公の気持ちがわからない」
・物語の順序や因果関係が理解できない

年齢別・言語発達のチェックポイント

【4~5歳】

☐身近な物の名前がわかる(1,500~2,500語程度)
☐「なぜ?」「どうして?」とよく聞く
☐簡単な物語の内容を理解できる
☐3語文以上で話せる

【6~7歳(小学1年生)】

☐学校で習う基本語彙を理解している
☐ひらがなの音と文字が一致している
☐短い文章の内容を説明できる
☐しりとりができる

【8~9歳(小学2~3年生)】

☐抽象的なことばも少しずつ理解できる
☐文章を読んで簡単な質問に答えられる
☐自分の体験を順序立てて話せる
☐「なぜなら」「だから」などの接続詞を使える

こんなサイン、見逃していませんか?

【語彙力不足のサイン】

☐教科書のことばの意味をよく聞く
☐説明が曖昧で、「あれ」「それ」が多い
☐年齢相応の本に興味を示さない
☐同じことばを使って表現する(「すごい」「やばい」など)

【音韻意識の未発達サイン】

☐しりとりが苦手(最後の音に注目できない)
☐「ぶどう」を「ふとう」、「がっこう」を「がこう」と書く
☐音読で行を飛ばす、音のまとまりがつかめない
☐「さかな」は何音?と聞かれて答えられない

【文章理解力不足のサイン】

☐物語を読んでも「おもしろかった」以外の感想が出ない
☐文章題の問題文を理解するのに時間がかかる
☐読書後に内容を聞いても答えられない
☐「誰が」「何を」「どうした」がつかめない

実際のケース

【Dさん(小学3年生)の場合】

<困りごと>

国語の文章題がまったく解けない

<観察結果>

語彙は豊富だが、文章全体の流れを追うのが苦手

<アプローチ>

読んだ後に「誰が」「何を」「どうした」を確認する習慣づけ。
最初は一文ずつ、慣れてきたら段落ごとに確認。

<結果>

3カ月後、少しずつ文章全体の流れをつかめるようになり、文章題への抵抗感が減少。
正答率も着実に向上してきている。



読み書きの土台は、目や耳からの情報だけではなく、「ことばをどう使いこなすか」にも深く関係しています。
読み書きの困難を抱えるお子さんの多くに、実は就学前からの「ことばに触れる経験の少なさ」が背景にあることがわかっています。

「うちの子、もしかして語彙が少ないかも…」
「音韻意識が育っていないのかもしれない…」

そう感じても大丈夫です。
ことばの力は、今からでも日常の中で楽しく育てていくことができます。
読み書きの練習を増やすより、まず、ことばそのものに親しむ時間を大切にすることが、遠回りに見えて実は一番の近道なのです。


【豊中市でお子様の「ことばの理解」を深めたい方へ】

文章理解の苦手さは、背景にある語彙力や音韻の力が関係しています。
言語聴覚士として、お子さまのことばの発達段階に合わせた最適な「階段」を用意します。
将来の読解力を今から支えたい方は、ぜひ無料相談をご活用ください。

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