吃音の初期サイン(Part1)「様子を見ましょう」への答えと親の不安【第2回】

「まだ小さいから様子を見ましょう」
─── そのことばの裏にある不安

「まだ小さいし、しばらく様子を見ましょうね」

そう言われてホッとしたものの、どこか心に残る不安。
お子さんが話すときのちょっとした表情、言葉を探すような間、
「うまく言えない…」とあきらめたように見える仕草───

こうした小さな変化が気になってしまうのは、決して珍しいことではありません。
実際に、たくさんの保護者の方が同じ思いを抱えながら相談に来られます。

吃音は2〜4歳頃に始まることが多く、発症から数年で自然に落ち着いていくお子さんもいます。
ですが一方で、もしお子さんが「話すことに戸惑っている」「気にしている」様子が続く場合、それは そっと手助けを始める合図 かもしれません。

DCM(要求・能力モデル)という視点
───お子さんが話すときの “ バランス ” を整える考え方

私が支援の現場で大切にしているのが、DCM(Demands and Capacities Model:要求・能力モデル)という考え方です。

これは幼児吃音の臨床ガイドラインにも取り入れられている方法で、

お子さんが話すとき、

・話す力(能力)
・そのときにかかる負荷(要求)

この2つのバランスが大切だと考えます。

いくら力があっても、要求が高すぎるとバランスが崩れ、吃音が出やすくなる。
逆に、要求を調整すると本来の力が発揮しやすくなります。

「要求」には2つの種類があります

1.外からの要求(環境的要求)

日常の環境や状況から生まれる負荷です。

● 「早く答えて」とせかされる
● 「ちゃんと発表して」と期待される
● たくさんの人の前で話す
● 家族の会話のスピードがはやい
● 運動会や発表会など行事前に吃音が増える など

2.お子さん自身の中の要求(内的要求)

「こうしたい」「こう言いたい」という気持ちから生まれます。

● うまく話したい
● 友達に伝えたい
● 最後まで言いたい
● かっこよく言いたいのに、ことばが出ない
● 運動会や発表会など行事前に吃音が増える など

「話したい!」という気持ちが強いほど、内的な要求も自然と高まります。
それ自体はすばらしいことですが、ときに能力とのバランスが崩れて吃音につながることがあります。

「なんで出るのかわからない…」と感じるとき

何もストレスがないように見えるときでも吃音が出ることがあります。

これは、お子さんが無意識のうちに「話すことをがんばりすぎている」状態なのかもしれません。

幼児期はまだ話す力が発達途中。
難しい言葉を使おうとしたり、気持ちが大きく動いたりすると、脳の処理が追いつかず、吃音が出やすくなることがあります。

つまり、お子さんは「できない」のではなく、その瞬間だけ少し負荷が高くなっている ということなのです。

ママ・パパの “ なんとなく気になる ” はとても大切

支援に携わる中で感じるのは、保護者の方の「ちょっと気になる」という感覚は、とても大切なサインだということです。

一緒に過ごしているからこそ気づく、小さな変化や戸惑い。
それは短い面談だけでは見えにくい部分でもあります。

「気にしすぎかな」と思わず、どうかその感覚を大切にしてください。
早めに気づくことは、お子さんに“困る前の安心”を届けることにつながります。


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