漢字学習は「覚える」より「理解」から!(第5回 Part2)|子の特性に合わせたサポート法【豊中市】
認知特性に合わせた個別化支援の実際
漢字学習で大切なのは、「覚えなさい」と言うことではなく、「その子の脳がどんなふうに情報を処理しているか」を理解し、ふさわしい方法を一緒に探していくことです。
💡万能な方法はありません
どんな学習方法にも「向く・向かない」があります。
効果があった方法が、別のお子さんには負担になることも。
これから紹介する方法は、全部をやる必要はなく、お子さんが「やりやすい」「楽しい」と感じるものを少しずつ試してみてくださいね。
【ステップ①】意味理解を深める支援
なぜ意味理解が大事なの?
人の脳は、意味のある情報を優先的に覚えるといわれています。
意味がわからない漢字は、ただの「形」として処理され、なかなか記憶に残りません。
抽象的な漢字をわかりやすくする工夫
【方法1】視覚的な支援
対象:視覚から理解しやすいお子さん、言葉だけの説明が苦手なお子さん
・絵カードやイラストで、漢字とイメージを一緒に見せる
・写真や実物を見ながら漢字を導入する
・漫画のような辞書でストーリーとして理解する
※視覚情報が多すぎると疲れてしまうお子さんもいるので、まずはシンプルに。
【方法2】体験と漢字をつなげる
対象:体験から学ぶことが得意な子
・「校」→ 実際に学校の中で探してみる
・「議」→ 家族でちょっとした “ 話し合い ” を体験してみる
・「協」→ 協力した出来事とつなげる
※体験と結びついた学びは、思い出と一緒に記憶されやすいといわれています。
【方法3】語源・成り立ちを使う
対象:理由を知ると理解が深まるお子さん
・「休」= 人が木のそばで休んでいる形
・「信」= 人と言葉(ごんべん)から「信じる」という意味に
※すべての漢字に語源説明が有効とは限らないため、使いやすいものだけでOK。
【ステップ②】視覚‐運動統合を支援する
なぜ形が覚えづらいの?
漢字を書くには、
「視覚で形を見る → それを頭で処理 → 手で書く」
という複数のステップがあります。
どこが苦手かによって、必要な支援が変わります。
パーツ分解法(構造的アプローチ)
漢字を意味のあるかたまり(チャンク)に分けることで負荷が減ります。
・色分けしてパーツを見やすく
・パーツごとに練習してから組み立て
・パーツに意味を持たせる(例:にんべん=人)
・分けすぎない(3〜4パーツが目安)
運動記憶を育てる方法
【方法1】マルチモーダル・アプローチ
複数の感覚を使って覚える方法です。
多感覚学習は、記憶に残りやすいといわれています。
・触ってなぞる(砂文字、凹凸文字)
・大きく書く(ホワイトボードなど)
・書きながら画数を数える
【方法2】空書き(そらがき)
効果が出やすいのは、
・動きで覚えるのが得意なお子さん
・紙に書く練習と組み合わせた場合
※空書きだけでは定着しにくいといわれています。
おすすめの流れ
1.まず紙に書く
2.大きく空書き
3.もう一度紙に書く
【方法3】口唱法(声に出して書く)
◎ 効果があるお子さん
・聴覚記憶が強い
・同時作業が苦にならない
✖ 逆に負担になることも
・ワーキングメモリが小さい
・視覚で覚えるのが得意
まずは黙って書く。
うまくいかなければ口唱法を試すのが安心です。
【方法4】視覚的記憶を生かす方法
・形からイメージを作る
・ストーリー化
・フラッシュカードは「見るだけ」ではなく、「見る→裏返す→書いてみる」の “ 想起練習 ” が効果的
※想起練習は記憶の定着がとても良いことが知られています。
練習量の最適化
たくさん書けば良いわけではありません。
「どれだけ理解しているか」を大切にしましょう。
・3〜5回の質の高い練習が最適
・10回以上のくり返しは、疲れやすいお子さんには負担大
【ステップ③】文脈での活用を促す
なぜ、ドリルでは書けるのに作文で使えないの?
人は、「覚えた状況」と「使う状況」が似ているほど思い出しやすいからです。
効果的な活用方法
【方法1】短文づくり
・「この漢字で文を作ろう」と促す
・生活に近い文が◎
・間違っても大丈夫!使ってみることが目的です。
【方法2】熟語で覚える
例:「会」→「会話」「会議」「会社」
音だけの理解よりも、意味の理解が大切です。
【方法3】同音異字の使い分け
クイズ形式で楽しく♪
意味の理解が優先です。
<例>
「合う」「会う」「遭う」のうち、下の文に入るのは?
「友達と( )約束」→「会う」
【方法4】日常生活でさりげなく使う
・日記
・手紙
・買い物メモ
強制すると逆効果になることも。
「もし書けたら使ってみようね」くらいの声かけで十分です。
発達段階別アプローチ
【初期(低学年相当)】
・身近な物から導入
・絵やイラストたっぷり
・一度に1〜3字くらい、無理なくゆっくり
【中期(中学年)】
・抽象的な漢字を少しずつ
・すでに知っている漢字と関連づけ
・複数の意味を持つ漢字は、まず基本の意味から
【後期(高学年)】
・抽象度の高い漢字へ
・語源・歴史的背景も活用
・自分に合った覚え方を探す練習も大切
認知特性別おすすめアプローチ
・視覚優位
色分け・図解/口唱法は合わないことも
・聴覚優位
口唱法・リズム・語源説明
・運動感覚優位
大きく書く・触る・体験学習
・ワーキングメモリ小さめ
パーツ分け・少ない回数/口唱法は負担になることも
「覚えられない」には理由があります
お子さんの脳の「得意な処理方法」を知ることが、何よりの手がかりです。
今日からできる小さな一歩
・どの種類の間違いが多いか観察
・毎日ひとつ、意味について話す
・書く回数を減らして意味理解に時間を
・いろいろ試して、合う方法を見つける
専門家への相談を考える目安
・3〜6ヶ月支援しても改善が乏しい
・学年相応より大きく遅れがある
・他の学習でも困りごとが目立つ
・自己肯定感が低い
・「どうせできない」と学習への意欲が極端に下がっている
発達性ディスレクシア(読み書き障害)が関係している場合もあります。
早めの評価は、お子さんに合った支援につながります。
まとめ
漢字学習には「これさえやれば完璧」という万能な方法はなく、お子さんそれぞれの認知特性や得意・不得意に合わせて、無理のないやり方を選んでいくことが何より大切です。
たくさんの量をこなすよりも、一つひとつをじっくり理解し、成功体験や「できた」という前向きな気持ちを積み重ねていくことで、自然と力が育っていきます。
焦らず、お子さんのペースに寄り添いながら、一歩ずつ丁寧に進んでいきましょう。
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覚え方を変えるだけで、漢字は「苦行」から「発見」に変わります。
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