数がわからない・計算が苦手な子のための土台(第6回 Part1)|算数のつまずき対策【豊中市の学習支援】

この記事で分かること

・数の理解に必要な3つの基礎となる力
・お子さんが計算でつまずく本当の理由
・発達段階に応じた数概念の育ち方(目安)


「数字は読めるのに、なぜか数を正しく数えられない」
「『5より大きい数って何?』と聞かれて、うまく説明できない…」
「計算問題になったとたん、急につまずきが目立ってきた」

こうした場面に出会うと、「計算が苦手なのかな?」と思いがちです。
でも実は、計算以前に「数そのもののイメージ」がまだ十分に育っていないことが原因かもしれません。

多くの保護者の方が「計算ができない→計算練習を増やそう」と考えがちです。
でも、数の理解には計算より前に育てるべき土台があります。

数の理解に必要な “ 3つの力 ”

数の理解には、以下の3つの力が土台として必要です。
専門的には①と②を合わせて「数概念」と呼び、③はそれを土台にして育つ力です。

①数の順序性(序数性)――「並び」を理解する力

内容

「1、2、3…」と順に並べたり、「5の次は6」と分かる力です。
数が一定のルールで並んでいることを理解する力とも言えます。

なぜ大切?

数直線やカレンダーのように、数を「並び」として捉えることで、数の前後関係や距離感が分かるようになります。
この力がないと、「7の次は?」と聞かれてもいつも1から数え直すことになります。

発達の目安(個人差が非常に大きいです)

【3〜4歳頃】

1〜5程度を順番に言える子が増えてきます(早い子も遅い子もいます)

【4〜5歳頃】

1〜10程度を正しい順序で数えられる子が多くなります

【5〜6歳】

20までの数の順序が理解できる子が増えます

【6〜7歳頃】

100までの数の順序を理解し始めます

②数の大きさの理解(基数性)――「量」を感じる力

内容

数字が表す「かたまり」や「多さ」を感覚的に理解する力です。
「5」と聞いたときに、頭の中に5個の具体的なイメージが浮かぶかどうかが重要です。

なぜ大切?

「あと2つで5になる」「3より多い・少ない」が感覚的に分かることで、計算が意味のある操作になります。
この力がないと、「イチ、ニ、サン、シ、ゴ」と唱えられても「5個」という答えが導き出せません。

発達の目安(個人差が非常に大きいです)

【3〜4歳頃】

3個程度の量がパッと見てわかる子が増えます(瞬時認知)

【4~5歳頃】

5個程度までの量を数えずに把握できる子が増えます

【5〜6歳頃】

10までの数の大小を比較できるようになる子が増えます

【6〜7歳頃】

「5と3で8」のような合成・分解のイメージが育ち始めます

③数を操作する力――「頭の中で数を動かす」力

内容

「5から2引くと…?」「8より3小さい数は?」など、頭の中で数を増やしたり減らしたり、比較したりする力です。

なぜ大切?

順序性(序数性)や量の理解(基数性)が土台になって、はじめて成り立つ力です。
この力が育つことで、計算や文章題の理解につながります。

発達の目安(個人差が非常に大きいです)

【5〜6歳頃】

指や具体物を使えば簡単な計算ができる子が増えます

【6〜7歳頃】

10までの足し算・引き算を具体物を使ってイメージできる子が増えます

【7〜8歳頃】

簡単な計算を頭の中だけでできるようになってくる子が増えます

よくある “ 数のつまずきサイン ”

お子さんのつまずきに気づくためのチェックポイントです。
いくつか当てはまっても、焦る必要はありません。
これから丁寧に育てていけば大丈夫です。

【数の順序性(序数性)の理解が発展途上かも】

・「6ってどこ?」と聞くと、いつも1から数え直している
・数字カードを並べると順番がバラバラになる
・「7の次は?」と聞かれて答えるのに時間がかかる
・逆順(10、9、8…)で数えることが難しい

【数の大きさの理解(基数性)がまだ育っていないかも】

・「いち、に、さん、し、ご」と数えても「5個」という答えが出せない
・「あといくつで10になる?」がピンとこない様子
・数字は読めるけれど、「どれが多い・少ない」の判断が難しい
・「5はこのくらい」という感覚がまだ持てていない
・おやつを家族に等しく分けることが難しい

【数を操作する力がまだ発展途上かも】

・小学校に入っても、足し算・引き算を指で数えないとできない
・「8より3小さい数は?」と聞くと混乱する
・文章題になると全く手がつけられない

年齢別・数概念発達チェック(目安)

【4〜5歳頃】

・1〜10まで正しい順序で数えられる
・3個と5個、どちらが多いか分かる
・おやつを家族分に分けようとする

【5〜6歳(年長)頃】

・20まで数えられる
・10までの数の大小比較ができる
・「5は3と2」のような数の合成・分解に触れ始める

【小学1年生頃】

・100まで数えられる
・繰り上がりのない足し算・引き算に取り組める
・時計の短針で「だいたい○時」が分かる

※これらはあくまで一般的な目安です。
お子さんの発達には個人差が非常に大きく、この目安より早い子も遅い子もたくさんいます。
少し時間がかかっても心配ないことがほとんどです。
気になる場合は、専門家にご相談ください。

実際のケース例【Fさん(小学1年生)の場合】

・困りごと

足し算の問題に全く手がつけられない

・詳しく観察すると

数字は読めるけれど、「5」がどのくらいの量なのか実感できていなかった

・アプローチ

週1回の個別支援と家庭でのおはじき遊びを組み合わせて、まず量のイメージ作りから丁寧にスタート

・結果

3ヶ月後、数に対する拒否感が減り、おはじきを使えば10までの簡単な足し算・引き算に取り組めるようになった。
半年後には、具体物を使いながら安定して計算できるように。
1年後には、指を使わずにできることも増えてきた。

💡数の理解は、単なる計算技能ではありません。
「数の世界を感覚的に理解する力」を、一つひとつ丁寧に積み重ねていくことが大切なのです。
時間がかかる場合もありますが、焦らず取り組むことで確実に育ちます。


【豊中市で算数の「根っこ」をしっかり育てたい方へ】

計算の手順を覚える前に、数のイメージを豊かにすることが算数を得意にする近道です。
言語聴覚士の視点で、お子さまがどこでつまずいているかを診断し、基礎から丁寧に積み上げます。
算数への苦手意識を感じたら、お早めにご相談ください。

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